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離婚コラム

内縁の不当破棄

1.内縁とは

内縁とは、婚姻届けは出していないが、二人の間に夫婦同様の共同生活を営む合意があり、その合意に基づいて実際に共同生活を営んでいる関係をいいます。

 

2.内縁の法的保護

昭和33年4月11日付最高裁判決において、内縁は、「婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない」とされています。

 

3.内縁関係の解消

内縁は婚姻に準ずる関係として保護されますが、婚姻届けを出していないので、内縁関係を解消するときは、必ずしも当事者双方が合意していなくても、一方当事者の意思のみによって解消できてしまいます。つまり、一方当事者が、共同生活をやめて、去っていけば、正当な理由がなくても、内縁関係は解消されてしまうのです。

そこが、離婚と異なるところであり、そのために不当破棄の問題が生じます。

 

4.不当破棄された場合の損害賠償請求

前述した最高裁判決では、「内縁が正当の理由なく破棄された場合には、故意又は過失により権利が侵害されたものとして、不法行為の責任を肯定することができるのである。されば、内縁を不当に破棄された者は、相手方に対し婚姻予約の不履行を理由として損害賠償を求めることができるとともに、不法行為を理由として損害賠償を求めることもできるものといわなければならない」としています。

つまり、債務不履行として構成することもできるし、不法行為として構成できることもできるということになります。

不当破棄されたと言えるかどうかについては、内縁関係解消の正当な理由があるかどうかなるかであり、内縁関係解消に至った個別の事情を検討していくこととなります。例えば、一方当事者の不貞行為が原因で内縁関係が破棄された場合には、不当破棄となります。

 

5.重婚的内縁は保護されるのか

内縁関係にはあるが、一方当事者に法律上の配偶者がいる場合があります。そのような内縁関係についても法的に保護されるのかどうかという問題があります。

この点については、重婚的内縁であっても、妻との関係が形骸化している場合には、内縁関係に相応の法的保護が与えられるべきであり、これを理由なく破棄することは、不法行為を構成するとした裁判例があります。

この記事の監修者

佐田理恵弁護士 (第二東京弁護士会所属)

Sada Rie

弁護士に相談される方や依頼される方はいろいろな問題やご事情を抱えていらっしゃいます。同じ法律問題でも、解決の仕方は一様ではありません。それは、抱えている方の人生がそれぞれ違いますから、当然と言えば当然です。

その中で、その方にとって最善の解決策を見つけることが大事であり、私たち弁護士はそのために智恵を絞ります。実際に問題が解決したとき、依頼者の方に喜んでいただけたとき、この仕事のやりがいを感じます。依頼者の方の笑顔は、私にとっての励みになっています。

これからも、依頼者の方々の問題解決のために尽力していきたいと考えています。

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